南部鉄器工場探訪記：進化し続ける鋳物の町
岩手・奥州市の水沢地区は、鋳物の町として栄えてきた歴史ある土地。ここには900年以上も前から鉄器を作り続ける南部鉄器工場が点在しています。今回は、その中でも特に進化を遂げている工場を探訪してみました。
はじめに
南部鉄器は、日本の伝統工芸品の一環として、約400種類もの調理道具を製造しています。その中でも、我々が訪れた工場はどのように進化し、伝統と革新を融合させているのでしょうか。
南部鉄器の製造過程
南部鉄器の製造は、まず鋳型に溶かした鉄を流し込むところから始まります。例えば、鉄瓶の鋳型は粘土で作られ、専用の道具であられ文様を押し付けます。この型は高温で焼かれて堅固なものとなります。その後、溶けた鉄を注ぎ込み、冷えて固まったら鉄瓶が完成します。
フライパンを作る場合も同様で、型を砂で作る方法もあります。完成品からは付着した砂を取り除き、バリを削る作業が行われます。最後にさび止めの塗装をして完成品となります。このさび止めには、表面に酸化被膜をつけてさびを防ぐ金気止め技法が使われています。
進化する南部鉄器の新たな試み
南部鉄器工場を率いる社長は、約400種類の調理道具を製造する中で、南部鉄器のイメージを変えるために工夫を凝らしています。その工夫とは一体何なのでしょうか？
対話と試食
我々が訪れた工場では、社長との対話の中で南部鉄器の歴史や、新たな挑戦について語られました。また、実際に南部鉄器で作られたフライパンを使用しての料理の試食も行いました。南部鉄器のフライパンはじわじわと熱をため、食材を入れてもフライパンが冷めないとのこと。その性能を実感することができました。
まとめ
岩手・奥州市の水沢地区に点在する南部鉄器工場。その中でも、進化を続ける工場を訪れ、製造過程や新たな試みに触れることができました。南部鉄器は伝統と革新が見事に調和した、日本の料理文化を支える重要な存在と言えるでしょう。南部鉄器工場探訪の興奮と感動を共有させていただきました。
